ピアノの修理【バットフレンジコード編】
12月も中旬に差し掛かり、冬の足跡もシャンシャンと聞こえて来る季節ですね⛄️👣
さてさて、今回は修理のお話しです🛠️
今回紹介する修理は「バットフレンジコード交換」です!!
バットフレンジコードとは??
その前に、まずはバットと言う部品を説明しましょう♬
「バット」とは、アップライトピアノ のアクションの部品の一つで、ハンマーの根本部分にある、ホームベースのような形をした部品です。ジャックと呼ばれる 鍵盤を押して突き上がった後部の、上下の動きを伝える部品がこのバットに当たることで、ハンマーを前後に動かす動きに変換しています!
そして「フレンジ」 とは、バットをアクションの軸に固定するための部品で、フレンジ自体はアクションの中にこれを含め4つあります!
最後に、「コード」 とはこのフレンジに接着されている紐のことを指し、バットから伸びたバネをこのコードに引っかけ、ハンマーの戻りをスムーズに行わせます。(ここまで長文を読んで頂きありがとうございました😭)
さて、長々と説明させて頂いたところで、今回はこのコードの交換です🧵
保存状態にもよりますが、このコードは30〜40年で切れてしまいます。このコードを88健分交換します...!
まずは、分解です。
様々なやり方がありますが、私はバットのみ取ってフレンジを露出させて コードを交換するという方法をとっています。
この作業が腰にきて地味にキツいのです...😭
そして続いては、古くなったコードを剥がします。
これもなかなか大変で、古ければ古いほどフレンジの溝に入り込んだコードが取りづらくなり、修理の半分の時間はこの作業に費やすことになります...😓
でもこの作業をないと新しいコードが接着できないですし、接着してもすぐに取れてしまいます!
とっても大事な作業なんです😖
さて!古いコード剥がしに1時間ほど時間をかけた後は、あらかじめ規定の長さにカットしたコードを接着していきます✂️
この接着作業にはさほど時間はかかりません。30分程度で接着できます。ちなみに、溝にコードを入れるのには、アルミ定規を使ってます📏
コードを交換したら30〜60分ほど大まかに乾かします。木工用接着剤を使っているので、白い接着剤が透明になるのが目安です🌟
さて、大まかに接着剤が乾いたら、分解したアクションを組み立てて、バネをコードに引っ掛けて動作確認をします。
本当は接着に1日 置きたいところですが、今回はご家庭のピアノをご自宅で行ったので、このような対応をいたしました!
バットフレンジコードを交換すると、ピアノのタッチが驚くほどしっかりとします♪
フレンジコードが切れていなくても「なんかタッチがふわふわ浮いて感じるなあ」 と思ったら、この修理もご参考に如何でしょうか..?