一般のご家庭の調律Part2
一般のご家庭の調律Part2ということで、今回は修理について書いていきたいと思います。
フリーランスで調律師になってまだ10年も経ってませんんで、固定のお客様と同じくら新規のお客様の調律にも伺います。
その中で多いのは圧倒的に「修理」です。
修理にもいろいろな修理がありますが、中でも多いものをこちらに書いていきたいと思います。
①断線修理・・・これは切れた弦の張り直しです。経年劣化であったり、長い期間弾いていると弦が切れます。特に高音部分はよく切れます。ちなみに、この修理は一本1,000円で行なっています。
②センターピン交換・・・こちらは部品と部品の結合部分に入れられた「センターピン」と呼ばれる真鍮製のピンの交換です。接触部分のクロスの摩耗などにより動きにガタつきが出た場合に交換いたします。1、2箇所程度でしたらサービスで修理いたしますが、全体88鍵分となると料金は20,000円〜受け付けております。
③鍵盤剥離・・・これもよくある修理です。「激しく弾いていると黒鍵が吹っ飛んだ」なんて話はよく聞きますが、鍵盤が吹っ飛んでしまった場合はご自身で治さず、必ず調律師を呼んでください。接着剤の種類や接着方法などを間違えると鍵盤が動かなくなってしまう場合があります。また、白鍵が剥がれる場合も多いですが、白鍵は1鍵剥がれると他も剥がれる場合が多いです。ヤマハなどの機種の場合はリコール対象の製品である可能性が高いので、調律師に相談しましょう。
その他にも、「激しく弾きすぎて内部の部品が折れていた」「前に修理した調律師が行なった処置が甘かったおかげで故障が再発した」など、さまざまな症例がありますが、大抵の故障は修理できます。
ここからは愚痴ですが、たまに「調律師に見放されたピアノ」なんてワードを耳にしますが、調律師からするとそんなピアノは無いに等しいです。ピアノは燃やされたり溶かされたりしない限りは修理して治すことができます。私もいわゆる「調律師に見放されたピアノ」を何台も修理してきましたが、今でも問題なく機能しています。
もしあなたのご自宅にも「調律師に見放されたピアノ」があれば、治る可能性があるので一度相談してみてはいかがでしょうか?
いつでもお待ちしております。